こんにちは!某生命保険会社勤務、ファイナンシャルプランナー(FP)のえじです。
ここでは医療保険の保障を充実させる特約・特則(オプション)について説明したいと思います。
特約・特則とは
主契約の保障内容をより充実させるためのオプションの事を特約・特則といいます。
※主契約とは、入院保障や手術保障などの保険契約の基礎となる部分を指します。
特約
主契約に任意で付加する特別な契約を指します。主契約に付随するものであり、単独で契約することはできません。主契約につける有料オプションであると考えて頂ければ良いと思います。
入院や手術などの基本的な保障内容に加え、特定の疾病にかかった場合に一時金が支払われるなど、保障内容が手厚くなります。
特則
主契約や特約で定められている内容と異なる特別な規定を特則と呼びます。自分で保険給付金の請求が出来なくなった時に、指定した代理人が手続き可能になる特則や、特定の疾病に限り入院支払限度日数が伸びる特則など、もともとの規定に対して”例外”を作るのが特則であると考えて頂ければ良いと思います。最初から設定されている特則もあれば、自分で選択して付加する特則もあります。
特約・特則の種類
特約・特則は、生命保険会社や保険商品によって沢山の種類があります。どのような種類の特約・特則があり、どんな時に支払いがあるのか?主要な特約・特則をご紹介していきます。
※特約・特則の名称や内容は、各会社によって少しずつ違うものがあります。
一時金が支払われる特約
特定の状態になると一時金が支払われる特約です。
入院一時金特約
病気やケガなどで入院した際に、一時金が支払われます。入院日数は関係なく、基本的に入院するだけで一時金が支払われます。日帰り入院も対象であることがほとんどです。
金額は、最初から決められている特約もあれば、保険加入時に自分で選択する特約もあります。
通院支援特約(退院時給付型)
通院治療支援特約(退院時一時金給付型)などとも呼ばれます。病気やケガなどで入院し、生存して退院した際に一時金が支払われます。金額は、最初から決められている特約もあれば、保険加入時に自分で選択する特約もあります。
がん一時金特約
がん診断治療給付金特約、がん診断一時金特約などとも呼ばれます。がんと診断された際に一時金が支払われます。上皮内新生物も対象としている特約もあれば、悪性新生物のみを対象にしている特約もあります。上皮内新生物の場合は一時金の額が減る特約もあります。がんの診断後は、がんによる入院や手術をした際にまた一時金が支払われますが、入院や手術のたびに支払われるのではなく、「○年に1回」と限度が決まっています。
※上皮内新生物と悪性新生物の違いについては、こちらの記事をご覧ください
三大疾病一時金特約
重度三大疾病一時金特約、三大疾病診断給付金特約などとも呼ばれます。三大疾病(がん・心疾患・脳血管疾患)になった際に、一時金が支払われます。がんの場合はがんと診断された時、心疾患や脳血管疾患の場合は、心疾患や脳血管疾患で入院した時や、心疾患や脳血管疾患の治療を目的とした手術をした時に一時金が支払われます。心疾患や脳血管疾患での請求の場合、入院が○日以上の場合のみ一時金を支払うとする特約もあります。また、心疾患全般ではなく心筋梗塞のみを一時金の支払対象にしているものや、脳血管疾患ではなく脳卒中のみを一時金の支払対象にしているものもあります。
※三大疾病についてはこちらの記事をご覧ください
介護一時金特約
要介護状態になった際に、一時金が支払われます。要介護1から支払われる特約もあれば、要介護2以上、要介護3以上から支払われる特約もあります。介護認定の他に、認知症による介護状態や、歩行や入浴などの介助・介護が必要になってから一定期間経過すると一時金が支払われるれる特約もあります。
年金が支払われる特約
特定の状態になると年金が支払われる特約です。
介護年金特約
要介護状態になった際に、年金が支払われます。要介護1から支払われる特約もありますが、要介護2以上、要介護3以上から支払われる特約が多いように感じましす。年金が支払われる期間は5年や10年など期間が決まっている特約もあれば、生存している間は年金が支払われ続ける終身型の特約もあります。
特定疾病収入特約
がん、急性心筋梗塞、脳卒中になった際に年金が支払われます。こちらの特約は終身型ではなく、支払われる年数が決まっています。
その他の特約・特則
女性疾病入院特約
女性入院特約、女性手術特約などとも呼ばれます。子宮内膜症や卵巣がんなどの女性特有の病気や、バセドウ病などの女性の発症率が高い病気、妊娠・出産に関する入院、手術に対して入院給付金や手術給付金が支払われます。特約によっては、すべてのがんが女性疾病入院特約の支払対象になるものもあります。また、妊娠中や産褥期に、妊娠と関係がない病気で入院しても、妊娠中や産褥期の合併症として入院給付金が支払われることが多いです。
三大疾病保険料払込免除特則
三大疾病診断保険料免除特約、特定疾病保険料払込免除特則などとも呼ばれます。主に三大疾病になった際に、将来の保険料の払込みを免除する特約・特則です。この三大疾病保険料払込免除特則は、三大疾病の中でも、がん・急性心筋梗塞・脳卒中を対象としている事が多いです。がんの場合はがんと診断された時、急性心筋梗塞や脳卒中の場合は、後遺症などで所定の状態になった時や、指定の日数以上入院した時、心疾患や脳血管疾患の治療を目的とした手術をした時などに保険料の払い込みが免除になります。
特約・特則によっては心疾患や、脳血管疾患も払込免除の対象になりますが、心疾患や脳血管疾患は払込免除の条件が少し厳しくなる傾向にあります。また、がんに関しては上皮内がんも対象としている特則もあれば、悪性新生物のみを対象としている特則もあります。
※三大疾病についてはこちらの記事をご覧ください
先進医療特約
総合先進医療特約、先進医療給付金特約などとも呼ばれます。先進医療を受けた際に、先進医療にかかった費用を補填してくれる特約です。通算の上限が決まっており、特約によって上限金額が異なりますが、最近の保険商品では通算上限2000万円としている特約が一般的です。先進医療一時金が支払われる特約もあり、一律で金額が決まっている特約もあれば、先進医療にかかった費用の○%を一時金で給付するという特約もあります。
※保険給付金の支払査定をしていると、先進医療特約を付加されている方は沢山いらっしゃいますが、実際に先進医療の請求をしてくる方はとても少ないです。
がん通院特約
がん外来治療給付特約などとも呼びます。がんの治療を目的とした通院をした際に、給付金が支払われます。全ての通院が支払われる訳ではなく、退院後1年間の通院を保障するものや、放射線治療や薬物療法などの治療をしている通院を保障するものなど、特約により様々な条件があります。
リビングニーズ特約
被保険者の余命が6ヶ月以内と診断された際に、死亡保険金の一部または全部が給付される特約です。そのため、死亡保障がある医療保険のみに付加する事が可能です。
特定三疾病入院無制限給付特則
三大疾病無制限入院特約、三大疾病支払日数無制限特則などとも呼びます。医療保険では通常、入院給付金の支払限度日数が決まっていますが、三大疾病(がん・心疾患・脳血管疾患)で入院になった際、入院支払限度日数がなくなり、限度を超えた入院でも無制限に入院給付金が支払われる特約となります。また、三大疾病での入院支払限度日数が無制限になるのと併せて、七大疾病で入院になった際に入院支払限度日数が増える特約や、三大疾病以外の病気すべての入院支払限度日数が増える特約などもあります。七大疾病や、八大疾病が対象となる七大疾病無制限型や八大生活習慣病入院無制限型の特則もあります。
※三大疾病についてはこちらの記事をご覧ください
※七大疾病、八大疾病についてはこちらの記事をご覧ください
最後に…
最低限の保障で良い方は主契約のみの契約でも全く問題ないですし、1つの医療保険で様々なリスクを補いたい方は主契約にお好みの特約・特則(オプション)をつけて、自分に合った保障内容の医療保険に加入しましょう!
各社、商品によって特約・特則(オプション)の内容が変わってきますので、こんな保障をつけたい!と希望がある方は、お近くの保険代理店やFPに相談し、自分にピッタリな保険を探すことをおすすめします!
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